商売の基本は仕入れ
いかなる商売も仕入れが命。
物件を激安に仕入れるために様々な手を使った。
「競売」に陥る前に奪い取るプロの荒業まで知り得た現在でも、
このノンフィクションな物語を読み解きながら、
宝探しをする楽しみは捨てきれない。
落札した「競売不動産」の前に立つ。
債権者はお金が無い。
自分の砦を手離すことに最後まで抵抗する人、
激しい罵声を言う人、
暴力で抵抗する人、
自殺を図る人など、
心情に耐えなければならない時も多い。
当然ながら、競売物件の手入れも何もされていない状態のまま、
仮面をかぶっている。
土台の腐りなど中を見てから初めて判明することも少なくない。
債権者から奪い取った鍵を挿し、部屋と初対面をする。
誰もいない静かな部屋に立つ。
もう後戻りはできない。
弱音は吐けない。
自分しかいない。
究極の状況に自分を追い込み、
強い決意を胸に、新たな扉を開く。
この建物が最も輝いた時代にタイムスリップ、
かつての繁栄に思いを馳せながら、
自らのDIYで激変させる のだ。
鍵がかかり、水が出て排尿が出来る、箱づくり。 次郎。
鍵水箱次郎