不動産競売の入札額を考える
競売物件は市場に出る前に多くの業者に知れ渡っている。
その数は数百人から数千人単位になる時もある。
なぜなら、競売に入る前に少しでも多く回収したい債権者側が
不動産屋・地域の地主などに情報を横流しするからだ。
これら情報を得た業者たちも「債権者が提示する額」が
高すぎることが多く、「ゴミ」(競売不動産)に流す。
誰も要らないゴミ(競売不動産)はやがて「競売」となる。
不動産競売の入札者に地元が少ない理由はそんな裏事情が
あるのだ。
彼らは当然ながら様々なシュミレーションをしてきた。
1)修繕後に売却
2)分割して売却
3)解体して駐車場として時期を待つ
4)造成にして建売を建て売却
5)その他
次にこれら情報が入手出来なかった他県の業者や一般人が
競売閲覧等の情報で知り、旨みがあればすぐに「取り下げ」に
動くが、金融機関系だけは癒着を嫌うので「取り下げ」には
応じないことが多い。
競売に出る前に情報を入手する手法もあるが公開できない。
ゴミとなった「不動産」の入札額はいったいいくらになるか?
共同住宅の場合、積算と収益法の計算に乖離(かいり)がある
ことが多い。
例えば、売却基準価額が1500万程度なのに、
満室時は家賃収入が2500万という利回り166%という物件。
これを修繕して即時売却する業者を考えると、15%の設定で
1億7000千万にもなってしまう。
売却基準価額が1500万と書かれているのが余計に複雑
と悩むなら、あなたは「素人」だ。
実は「業者が入札するであろう標準の入札額」というものが
〇〇〇〇〇に記載されていることは、あまり知られていない。
それは、「売却基準価額」でも、「買受可能価額」でもない
公式があるわけでもない。笑
勿論、「業者が入札するであろう標準の入札額」はあくまでも
目安であり、必ず落札できる保証などない。
しかし・・・
落札できた物件(成功)と落札できなかった物件(失敗)の
比率が、8対2という好成績な過去を振り返ると
「業者が入札するであろう標準の入札額」は、
かなりの確率で成功を収めてきたことになる。
わずかな差額で落札できた時ほど楽しいことはないが、
逆に「素人業者や個人が高値で落札してしまった」
いわゆる「失敗」を見届けるのも楽しい。
青空の下、落札物件を眺めながら微笑み、そっと手を見る。
-石川啄木-
もう後戻りはできない。
自らの手で
「鍵がかかり、水が出て排尿が出来る、箱づくり」
をするのだ。
鍵水箱次郎