商売の基本は仕入れ
いかなる商売も仕入れが命。
物件を激安に仕入れるために様々な手を使った。
「競売」に陥る前に奪い取るプロの荒業まで知り得た現在でも、
このノンフィクションな物語を読み解きながら、
宝探しをする楽しみは捨てきれない。
落札した「競売不動産」の前に立つ。
債権者はお金が無い。
自分の砦を手離すことに最後まで抵抗する人、
激しい罵声を言う人、
暴力で抵抗する人、
自殺を図る人など、
心情に耐えなければならない時も多い。
当然ながら、競売物件の手入れも何もされていない状態のまま、
仮面をかぶっている。
土台の腐りなど中を見てから初めて判明することも少なくない。
債権者から奪い取った鍵を挿し、部屋と初対面をする。
誰もいない静かな部屋に立つ。
もう後戻りはできない。
弱音は吐けない。
自分しかいない。
究極の状況に自分を追い込み、
強い決意を胸に、新たな扉を開く。
この建物が最も輝いた時代にタイムスリップ、
かつての繁栄に思いを馳せながら、
自らのDIYで激変させる のだ。
鍵がかかり、水が出て排尿が出来る、箱づくり。 次郎。
鍵水箱次郎
サラリーマン大家が「一棟まるごと」DIY!
人口減、高齢化社会と言われようとも、
建て続けなければ生計が成り立たない、
多くの建築関連業者。
安物建材と外国人労働者を使い、
今日も「箱物」を完成させている。
そんな物件も、豪華な広告に化けて出てくれば、
素人目には善し悪しの見分けがつかない。
週末行事のように戸建てやマンションを探す、
友人らの自慢話を笑いながらに聞き流し、
ごく普通のサラリーマンを装っている。
時として「競売物件は安く買える!」と、
雑誌やテレビで見たままの雑談。
経験を積み、数々の苦難を乗り越えてくれば、
助長する気にはならない。
これまで世の中が敬遠してきた「競売不動産」。
その誤った誤解をしてきた今日までに、
秘かに物件を激安に買い進め、
セルフリフォームを自ら行い、
鍵がかかり、水が出て、排尿が出来る「箱物」を完成させ、
人に貸し、わずか一年程度で全投資額を回収する、
利回り80%を超えた異常とも言える、
賃貸手法を実践してきた。
これが本当に大家業として正しい道なのか・・・私も解らない。
しかし、
建物は24時間365日、
雨の日や風の日、雪の降る寒い日でも、
文句を言わずに通帳の数字を増やし続け、その勢いは止まらない。
セルフリフォームから始まり、直接の入居者募集、契約から管理まで。
すべてを自らで満室に仕立てる賃貸手法。
今後も物件を増やしていこうと思う。
いつの日か、
競売業と転貸、用途変更を叩き入れてくれた師匠を超え、
手取り現金が年3億円に達したとき、
この趣味に終止符を打ちたいと思う。
鍵がかかり、水が出て排尿が出来る、箱づくり。 次郎。
鍵水箱次郎